【実例公開】NISAで+31%・iDeCoで+97%|長期積立のリアル成績

Cozy Asset

  1. はじめに:実例で見たほうが、ピンとくるかもしれません
  2. 結論:NISA・iDeCoの現状と、その大事な前提
    1. 📊 iDeCoの中身を、円グラフで見てみると
  3. NISA口座の中身:つみたて投資枠でS&P500を、毎月コツコツ
    1. 📊 NISA(S&P500つみたて)の成績(2026年5月時点)
    2. 📦 なぜ「S&P500のインデックスファンド」だったのか
    3. 📈 毎月の積立を続けて見えてきたこと
  4. iDeCo口座の中身:5年積み立てて、4月にリバランスした話
    1. 📊 iDeCoの成績(2026年5月時点)
    2. 📦 2026年4月にやったリバランスの中身
    3. 🤔 なぜS&P500 60% + TOPIX 40% にしたのか
    4. 📈 リバランス後、それぞれどう動いたか
    5. 💭 「日本市場が強くなる」と読んだのに、TOPIXは控えめ?
  5. NISA・iDeCoの実例から見える、長期積立の3つのポイント
    1. ① 続けることが、いちばん効く
    2. ② 予想を当てに行かず、分散しておく
    3. ③ 始めるのに「ベストなタイミング」を待たない
  6. 初心者が、ここから踏み出すための3つのアドバイス
    1. ① まずはNISAのつみたて投資枠から始めましょう
    2. ② 金額は「背伸びしない」がいちばん大事
    3. ③ 商品選びは「シンプルに」
    4. 📚 もう少し制度の話を知りたい方へ
  7. おわりに:迷っているうちに、時間だけが過ぎていきます
    1. 📊 数字でおさらい:2つの口座の成績
    2. 💭 「年金不安」を「自分年金作り」に変える
    3. 🌱 はじめの一歩は、本当に小さくていい
    4. 📚 次の一歩のために
    5. 🌷 最後に

はじめに:実例で見たほうが、ピンとくるかもしれません

これまで当ブログでは、新NISAやiDeCoの基礎、口座の選び方など、制度や仕組みの話を中心にお届けしてきました。「ふむふむ、なるほど」と読んでいただいた方も多いと思います。

でも、こんな声もよく耳にします。

投資ビギナーさん
投資ビギナーさん

制度の話はだいたいわかったけど…実際に長く続けたら、どれくらい増えるものなんだろう?

たしかにそうですよね。教科書的な解説だけでは、なかなかリアルな手応えはつかめません。「結局、自分が同じことをやったらどうなるの?」というところが一番気になるはずです。

そこで今回は少し趣向を変えて、運営者(僕)自身がNISAとiDeCo、2つの口座でコツコツ積み立ててきた現時点での運用成績を、できる限り具体的な数字とともにお見せしていきます。

この記事でお見せするもの

  • NISA(つみたて投資枠でS&P500を積立)の損益率と運用期間
  • iDeCoの損益率と保有商品(2026年4月にリバランスした話を含む)
  • 2つの口座は始めた時期も中身も違うため、単純比較はできないという前提
  • 長期積立を続けていく中で、初心者にもおすすめしたい3つのポイント

なお、具体的な金額は伏せ、損益率(%)と配分比率(%)を中心にお伝えします。金額そのものより「率」のほうが、皆さんがご自身の運用に置き換えて読みやすいはずです。

「自分も似たような感じで始めてみようかな」と思っていただけたら、この記事の役目は半分以上果たせたと思います。それでは早速、結論から見ていきましょう。

結論:NISA・iDeCoの現状と、その大事な前提

細かい話に入る前に、まずは結論から。2026年5月時点での、僕のNISAとiDeCoのトータル成績はこちらです。

📊 NISA・iDeCo トータル成績(2026年5月時点)

  • NISA(つみたて投資枠でS&P500を積立) 評価損益率:+31.52%(運用期間 約2年4ヶ月)
  • iDeCo トータル損益率:+97.4%(運用期間 約5年)

数字だけ見ると、ちょっとびっくりされるかもしれません。とくにiDeCoの「+97.4%」は、「えっ、ほぼ倍になってるの?」と思われたはずです。

ただ、この2つの数字には、そのまま単純に比較できない3つの違いがあります。記事を読み進める前に、ここはぜひ押さえておいてください。

⚠️ NISAとiDeCoは「単純比較できない」3つの違い

  1. 開始時期が違います
    NISAは新NISAが始まった2024年1月スタート(運用期間 約2年4ヶ月)。iDeCoは2021年スタート(運用期間 約5年)。積み立て続けてきた時間がまったく違います。
  2. 損益率の計算式が違います
    NISAの「+31.52%」は取得価額(買付額)に対する評価損益率。iDeCoの「+97.4%」は拠出金累計に対する損益率です。考え方は近いものの、計算の土台が少し違います。
  3. 中身の構成が違います
    NISAはつみたて投資枠でS&P500のインデックスファンドをシンプルに積立。iDeCoはS&P500とTOPIXの2本立てに分散させています。

そういうわけで、「率の数字そのもの」を並べて比べるより、「それぞれの口座で、どんな考え方で積み立ててきたのか」という視点で読んでいただくのがおすすめです。

そしてもうひとつ、この記事でいちばんお伝えしたい大事なことがあります。それは、これらの数字は決して「一発勝負」の結果ではないということです。特定の銘柄を当てに行ったわけでも、相場のタイミングを狙ったわけでもありません。

ただ、毎月コツコツ積み立て続けた結果──ただそれだけです。「長く続けたiDeCo」と「始めて間もないNISA」、それぞれの時間軸で、それぞれのペースで育ってきています。

📊 iDeCoの中身を、円グラフで見てみると

NISAは「つみたて投資枠でS&P500を毎月買うだけ」というシンプルな構成なので、図で見せるまでもありません。

一方、iDeCoは少し違います。米国(S&P500)と日本(TOPIX)の2本のインデックスファンドに、意識的に分散させています。その配分が、いま現在こんな比率になっています。

🏦 iDeCo 資産構成比

(2021年スタート・2026年4月リバランス後)

  • TOPIX(国内株式) 32%
  • S&P500(米国株式) 69%

※ 比率は小数点以下切り上げのため合計が100%を超えます

iDeCoでは米国一辺倒を避けて、日本(TOPIX)にもしっかり比率を残すという形で分散しています。その判断の背景は、後の章で詳しくお話しします。

では次の章から、NISAとiDeCo、それぞれの中身をひとつずつ見ていきましょう。まずは「シンプルなNISA」から。

NISA口座の中身:つみたて投資枠でS&P500を、毎月コツコツ

まずはNISA口座から見ていきましょう。

結論から言ってしまえば、僕のNISAはとてもシンプルです。新NISAが始まった2024年1月から、つみたて投資枠でeMAXIS Slim S&P500のインデックスファンドを毎月積み立てているだけ。やっていることは、本当にそれだけです。

📊 NISA(S&P500つみたて)の成績(2026年5月時点)

  • 運用商品:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
  • 運用方法:つみたて投資枠で毎月自動積立
  • 運用期間:約2年4ヶ月(2024年1月〜2026年5月)
  • 評価損益率:+31.52%

運用してまだ2年強なのに、すでに約3割の含み益が乗っているのは、自分でも正直「ちょっと出来すぎ」と思っています。米国市場が好調だった追い風も大きいでしょう。

でも、ここで強調したいのは、僕がやってきたことは「相場を当てに行く」とは正反対の、淡々とした作業だけだということです。

📦 なぜ「S&P500のインデックスファンド」だったのか

新NISAのつみたて投資枠は、長期積立向けのインデックスファンドを毎月積み立てるための枠です。その中で僕がS&P500を選んだ理由は、ざっくり3つあります。

理由 中身
① 米国市場全体に「自動で分散」 S&P500を1本買うだけで、Apple・Microsoft・Amazonなど500社の代表企業に分散投資できる
② コストが低い eMAXIS Slimシリーズは信託報酬が業界最安水準。長期で積み立てるほど効いてくる
③ つみたて投資枠の王道 金融庁が「長期積立向き」と認めた商品で、シンプルに安心して放っておける

つまりS&P500の積立は、「自分で銘柄を選ばなくても、米国市場全体を持つことになる」仕組みです。これだけで一定の分散は効いている──ここがインデックス積立の大事なポイントです。

💡 「インデックスファンド」って、要はどういうもの?

インデックスファンドとは、市場全体を表す指数(インデックス)に連動するように作られた投資信託のことです。
S&P500は「米国の代表企業500社の株価をまとめた指数」。これに連動するファンドを1本買えば、500社の株を少しずつまとめて持つのと同じ効果が得られます。「自分で銘柄を選ぶ自信がない…」という方ほど、シンプルに使える商品です。

📈 毎月の積立を続けて見えてきたこと

2年4ヶ月、毎月決まった金額を、淡々と買い続けてきました。途中、市場が下がった月もあれば、ぐっと上がった月もあります。でも、僕は一度も買う金額を変えていません

下がっている月は「同じ金額で、いつもより多めに買える月」。上がっている月は「すでに買った分の含み益が伸びる月」。どちらの月にも、それぞれ意味がある。これが、長期積立の面白さでもあります。

✅ この章のまとめ

  • NISAは新NISA開始の2024年1月から、つみたて投資枠でeMAXIS Slim S&P500を毎月積立
  • 運用期間 約2年4ヶ月で評価損益率は+31.52%
  • やっていることは「毎月決まった額でS&P500を買うだけ」というシンプル運用
  • S&P500を1本買うだけで米国500社に分散される=これだけでも一定の分散効果
  • 市場が動いても買う金額は変えない=長期積立の基本

NISAの話はこれで以上です。次は、もう少し奥行きのあるiDeCo口座を見ていきます。こちらは2021年から5年積み立てている口座で、「米国一辺倒を避ける」分散判断も入っています。

iDeCo口座の中身:5年積み立てて、4月にリバランスした話

続いて、もう一方のiDeCo口座です。こちらはNISAより少し奥行きのある話になります。

僕のiDeCoは2021年スタートで、運用期間にして約5年。NISAより3年ほど長く積み立ててきた口座です。そして2026年4月に、保有商品を大きく整理(リバランス)しました。今回はその判断の中身も含めてお話しします。

📊 iDeCoの成績(2026年5月時点)

  • 運用期間:約5年(2021年〜2026年5月)
  • トータル損益率:+97.4%(拠出金累計に対する含み益)
  • 現在の保有商品:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) と eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) の2本

損益率+97.4%──これは「これまで積み立てた元本(拠出金累計)に対して、いまどれくらい含み益が乗っているか」を示す数字です。つまり、5年積み立ててきた拠出金が、ほぼ2倍になっているということです。

もちろん、これも「特別なことをした」結果ではありません。NISAと同じく、毎月決まった額を、コツコツ積み立ててきただけ。ただ、iDeCoには長く続けた分の時間の効果が、しっかり乗っています。

📦 2026年4月にやったリバランスの中身

iDeCoは長く運用していると、保有商品の入れ替え(スイッチング)ができる仕組みになっています。僕は4月にこのスイッチングを使って、保有商品をスッキリ整理しました。

時期 保有商品の構成
3月まで eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、その他のファンドも複数本
4月以降 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 60% / eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) 40% の2本に集約

「オルカンも持っているし、S&P500もあるし、いろいろ複雑になってきたな」と感じていたところで、思い切ってシンプルな2本立てに整理したわけです。

🤔 なぜS&P500 60% + TOPIX 40% にしたのか

整理の方針として、僕が大事にしたのは「米国一辺倒にしない」ということです。具体的には、2つの理由がありました。

理由① 為替リスクを分散しておきたい

S&P500やオール・カントリーといった外国株のインデックスファンドは、中身がドル建てなどの外貨資産です。これらの円換算の評価額は、株価の動きだけでなく為替(ドル円)の影響も受けます
たとえば米国株自体は順調でも、円高(ドル安)が進むと、円換算したときの評価額は目減りしてしまいます。一方、TOPIXは日本株なので円建て、為替の影響を受けません。
ドル建ての米国株と、円建ての日本株を組み合わせることで、為替の振れ幅が大きくなったときのショックを和らげる狙いがあります。

理由② 日本市場の地力が、ここ最近じわじわ強くなってきた

2026年に入ってからの日本市場は、高市政権の発足を背景に日経平均が史上最高値を更新するなど、ここ数年では珍しく強気の地合いが続いています。実際、2026年2月第2週(9〜13日)だけで、海外投資家は日本株の先物と現物を合わせて約1兆7,838億円買い越し。これは2014年11月以来の規模で、海外マネーが本格的に日本株に向き始めていることを示しています。

政権の積極財政路線(いわゆる「サナエノミクス」)が、かつてのアベノミクスを思わせると評価されたことも、海外勢の買いを後押ししている要因のひとつ。「これからの数年、日本市場が単独で伸びる場面もあるかもしれない」──そう感じる材料が増えてきました。米国だけに賭けず、日本にもしっかり配分を残しておきたいと思った大きな理由のひとつです。

結果として、米国(S&P500)を6割、日本(TOPIX)を4割というシンプルな2本立てに着地させました。「米国の成長エンジン」と「日本の地力」、両方を毎月積み立てていく形です。

📈 リバランス後、それぞれどう動いたか

では4月以降、この2本の損益率はどうなっているのか。並べてみるとこんな感じです。

eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)+11.1%
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)+70.6%

※ 棒の長さはiDeCo内最大値(+70.6%)を100%として相対表示しています

S&P500の損益率が突き抜けて見えますが、これは5年間積み立ててきた重みがそのまま残っているからです。リバランスは「これから買う比率」を変えるもので、過去の含み益までリセットされるわけではありません。

そして、ここでちょっと面白い現象も起きています。

📌 「同じ%で買っても、伸びる方が膨らんでいく」現象

僕は4月から「S&P500 60%・TOPIX 40%」の比率で毎月買っているのですが、現時点の評価額の構成比はS&P500 69% / TOPIX 32%になっています(切り上げ表示の関係で合計は101%)。
これは、S&P500の含み益が大きいぶん、自然と評価額の比重がS&P500側に寄っているということです。同じ%で買い続けていても、伸びている方の比重がどんどん増えていく──これも長期積立で起きる、ごく自然な現象です。

💭 「日本市場が強くなる」と読んだのに、TOPIXは控えめ?

ここまで読んで、こう思った方もいるかもしれません。

投資ビギナーさん
投資ビギナーさん

日本市場が強いって読んだから40%残したのに、TOPIXの損益率はS&P500よりずいぶん控えめですよね…?

するどい指摘です。実際、4月以降の流れを見ても、日経平均は急上昇しているもののTOPIXの動きはそこまで派手ではありません。「日本市場全体がすぐに一気に伸びる」というシナリオは、現時点では半分くらい当たって、半分くらい外れているのが正直なところです。

でも、これでいいんです

そもそも、僕が分散しているのは「予想を当てるため」ではないからです。日本市場が伸びても、伸びなくても、米国市場が好調でも、停滞しても、どちらに転んでも全体としては育っていく形を作っておきたかった。それが、米国一辺倒を避けた本当の理由です。

結果論で言えば、「100%S&P500にしておけばもっと増えていた」のは事実かもしれません。でも、それは「結果が出たから言える話」であって、運用を始めた瞬間に「これから5年、どっちが伸びるか」なんて誰にもわかりません。だからこそ、分散しておく。これがリスク分散の本当の意味です。

✅ この章のまとめ

  • iDeCoは2021年から5年積み立てていて、損益率は+97.4%(元本ほぼ2倍)
  • 2026年4月にスイッチングで保有商品を整理 → S&P500 60% / TOPIX 40%の2本立てに
  • 米国一辺倒を避けた理由は ①為替リスクの分散(ドル建てと円建てを組み合わせる) ②日本市場の地力の強まり(高市政権発足以降の上昇)
  • 同じ%で買っても、伸びる方の評価額構成比は自然と増えていく(現状はS&P500 69% / TOPIX 32%)
  • 分散は「予想を当てるため」じゃなく、「どちらに転んでも育つ形」を作るため

では次の章では、NISAとiDeCoの両方を見渡したうえで、長期積立を続けて見えてきた3つのポイントをまとめてみましょう。

NISA・iDeCoの実例から見える、長期積立の3つのポイント

NISAとiDeCo、それぞれ違う時間軸・違う中身で積み立ててきた口座を見てきました。ここで一度、両方の実例から見えてきた長期積立の大事なポイントを、3つに絞って整理してみたいと思います。

① 続けることが、いちばん効く

2つの口座を並べてみて、いちばんはっきりわかるのが「時間の重み」です。

口座 運用期間 損益率
NISA(S&P500つみたて) 約2年4ヶ月 +31.52%
iDeCo 約5年 +97.4%

NISAも順調ですが、iDeCoのほうが圧倒的に「育っています」。これは、ただ単に3年ほど長く続けているからです。

長期積立では、時間が経つほど「すでに買った分の含み益」と「新しく買い増す分」が積み重なって、雪だるま式に効いてくる仕組みです。専門用語では「複利効果」と呼ばれます。最初の数年は地味でも、5年・10年と続けるうちに、加速がついてくる──iDeCoの+97.4%は、その効果がしっかり乗っている証拠です。

💡 「複利効果」とは

運用で得た利益を、また次の運用に回すことで、利益が利益を生む状態のこと。
たとえば、1年目に+10%の利益が出たら、2年目はその利益も含めた金額に対して+10%が乗る、というイメージです。続ければ続けるほど効果が大きくなるので、「早く始める」「長く続ける」がそのまま運用成績に直結します。

「投資はタイミングではなく時間」とよく言われますが、僕の2つの口座の実例は、まさにそれを裏付けるものになっています。

② 予想を当てに行かず、分散しておく

iDeCo口座のところでもお伝えしましたが、僕は2026年4月のリバランスでS&P500 60% / TOPIX 40%にしました。当時は「日本市場が伸びそう」と読んで、TOPIXを4割しっかり残したわけですが──結果としてここまでは、S&P500のほうがTOPIXより伸びているのが現実です。

「じゃあS&P500 100%にしておけばよかったのか?」と問われると、答えは「ノー」です。なぜなら、運用を始めた時点で「これからの5年、どの市場が伸びるか」なんて誰にもわからないから。

⚠️ 「結果論」で運用方針を決めない

「過去5年で見ればS&P500が一番伸びている」──これは事実ですが、未来の5年も同じとは限りません。
もし今、S&P500 100%にして、次の5年で米国市場が長期停滞したら? 為替が円高に大きく振れたら? そのときに「全部を失わない」ためにこそ、違う性格の資産にも分けておくのがリスク分散の考え方です。

分散というのは、決して「一番伸びる方を当てに行くため」のものではありません。どちらに転んでも全体としては育っていく形を作るための、保険のような仕組みです。だからこそ、結果論で見れば「もっとこうしておけば」と言いたくなる場面が出てきても、それでよかったと思える──これが分散の強さです。

③ 始めるのに「ベストなタイミング」を待たない

もうひとつ、自分の経験からどうしてもお伝えしたいのが「タイミングを待っていると、いつまでも始められない」ということです。

僕がNISAをスタートしたのは2024年1月。新NISAが始まったタイミングです。「もっと前から始めていれば」と思う気持ちもありますが、その当時は旧NISAの制約や、自分の資金繰りの事情で、その時には踏み切れなかった。それも今となっては理解できます。

大事なのは、「始められると感じたタイミングで、すぐ始めること」。相場が安いとき、高いとき──そういう「タイミング読み」を待っていても、結局始めるきっかけを失うだけです。

投資ビギナーさん
投資ビギナーさん

いま株価が高いって聞くから、もう少し下がってから始めた方がいいですかね…?

気持ちはとてもよくわかります。でも、こう考えてみてください。「高いか安いか」がはっきりわかるのは、すべて後になってからです。今この瞬間の株価が「高い」のか「安い」のか、リアルタイムでは誰も判定できません。

だからこそ、つみたて投資のような毎月決まった額を機械的に買う方法が、初心者にこそ向いているわけです。買うタイミングを自分で判断しなくていい、自動で平均化してくれる仕組み──これが、新NISAのつみたて投資枠の最大の魅力でもあります。

✅ この章のまとめ:長期積立の3つのポイント

  1. 続けることが、いちばん効く ── 時間が積み立ての成績を作る
  2. 予想を当てに行かず、分散しておく ── 「どちらに転んでも育つ形」を作る
  3. 始めるのに「ベストなタイミング」を待たない ── 毎月積立なら、タイミング判断は不要

このあとは、いよいよ最後の章です。これからNISAやiDeCoを始めたい方に向けて、僕が伝えたい「初心者が最初に考えたいこと」を、もう少し具体的にお話ししたいと思います。

初心者が、ここから踏み出すための3つのアドバイス

ここまでお読みいただいたあなたは、おそらく「自分も始めてみようかな」と少し思ってくださっているのではないでしょうか。あるいは、「制度はわかったけど、最初に何をすればいいの?」というところで止まっているかもしれません。

この章では、これまでの実例を踏まえて、僕から初心者の方にお伝えしたい3つの具体的なアドバイスをお話しします。

① まずはNISAのつみたて投資枠から始めましょう

NISAとiDeCoの両方を併用するのが理想的ですが、これからスタートする方には「まずはNISAから」をおすすめします。

✅ なぜ最初はNISAから?

  • 柔軟性が高い ── いつでも引き出せるため、ライフイベントに対応しやすい
  • 商品選びがシンプル ── つみたて投資枠の対象商品は金融庁が厳選済み
  • 月1,000円から始められる ── 無理のない金額でスタート可能
  • 非課税枠が大きい ── 新NISAなら年間最大360万円(つみたて枠120万・成長枠240万)

iDeCoは強力な節税効果がありますが、60歳まで原則引き出せないという大きな制約があります。資金繰りに余裕ができてから、NISAと併用していくのが現実的です。

NISAとiDeCoの違いや使い分けについては、別記事「【初心者向け】iDeCoとNISAはどっちが先?自分年金作りの賢い使い分け」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。

② 金額は「背伸びしない」がいちばん大事

始めるときに、いちばんやってしまいがちなのが「最初から大きな金額で始める」ことです。

「新NISAは年間360万円も非課税枠があるから、満額使わなきゃ損!」──こう考えてしまう気持ちはわかります。でも、長期積立でいちばん大事なのは「続けられること」。最初から無理して大きな金額を入れて、生活費が苦しくなって途中でやめてしまうのが、いちばんもったいないパターンです。

💡 金額の目安(あくまで一例)

  • 最初の数ヶ月:月1万円程度から、家計に負担をかけずスタート
  • 慣れてきたら:月3万円・5万円と段階的に増やしていく
  • 余裕が出てきたら:つみたて投資枠の上限(月10万円)に近づける

金額より「続けること」のほうが、結果に効いてきます。10年・20年と続けられる金額を、自分の家計と相談しながら決めてみてください。

僕自身も、最初からフルアクセル踏んだわけではありません。生活と相談しながら、少しずつ金額を上げてきた結果が、いまの+31.52%(NISA)や+97.4%(iDeCo)につながっています。

③ 商品選びは「シンプルに」

「分散が大事と言われたから、いろんな商品をたくさん持たないと」──そう思ってしまうかもしれません。でも、商品の本数を増やすことと「分散できていること」は別の話です。

たとえば、僕のNISAはeMAXIS Slim S&P500 1本だけを毎月積み立てています。でもS&P500は中身が米国500社の株なので、1本買うだけで500社に分散投資できているわけです。

⚠️ 「たくさん持つ=分散」ではない

10本も20本も投資信託を持っていても、中身が同じような銘柄ばかりだったら、分散効果はあまりありません。逆に、性格の違うインデックスファンドを2〜3本持つだけで、十分な分散になります。
初心者の方は、まずはつみたて投資枠の対象商品から1〜2本を選ぶところから始めるのがおすすめです。

シンプルにしておくことには、もうひとつメリットがあります。それは、「自分が何を持っているか」を把握しやすいということ。商品が増えすぎると、管理が大変になり、結果として運用への興味も薄れてしまいがちです。長く続けるためにも、最初はとにかくシンプルに始めましょう。

📚 もう少し制度の話を知りたい方へ

「具体的に新NISAって何ができるんだろう?」「iDeCoとNISA、どっちが向いてるんだろう?」と、もう少し制度の中身を知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

✅ この章のまとめ:初心者の3つのアドバイス

  1. まずはNISAのつみたて投資枠から(柔軟性が高く、商品選びもシンプル)
  2. 金額は「背伸びしない」がいちばん大事(続けられる金額を、家計と相談して決める)
  3. 商品選びは「シンプルに」(本数を増やすのと分散は別)

では、最後にこの記事のまとめに入りましょう。

おわりに:迷っているうちに、時間だけが過ぎていきます

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。最後に、この記事でお伝えしたかったことを、もう一度ぎゅっとまとめておきます。

📊 数字でおさらい:2つの口座の成績

口座 運用期間 損益率 主な特徴
NISA(S&P500つみたて) 約2年4ヶ月 +31.52% シンプルにS&P500を毎月積立
iDeCo 約5年 +97.4% S&P500とTOPIXに分散、2026年4月にリバランス

2つの口座は、始めた時期も、中身の組み方も違います。それでも、共通しているのは──「毎月コツコツ、続けてきた」ということだけ。それ以上でも、それ以下でもありません。

💭 「年金不安」を「自分年金作り」に変える

少子高齢化が進む日本では、「将来、年金だけで本当に大丈夫だろうか?」という不安を抱える方が増えています。ニュースを見るたびに、不安が積み重なっていく方も多いと思います。

でも、不安に立ちすくんでいるだけでは、未来は何も変わりません。「不安を抱えているだけ」から「自分で備える」に切り替えること──そのための具体的な手段が、NISAとiDeCoという制度です。

💡 自分年金とは

公的年金(国から受け取る年金)に加えて、自分で積み立てて将来の生活費を準備する仕組みのことです。NISAやiDeCoを活用すれば、税制上の優遇を受けながら、将来の自分のための資産を作っていくことができます。

僕がこれまで5年・2年と積み立ててきた口座の数字は、決して特別なものではありません。金融庁が「長期積立向き」と認めたシンプルなインデックスファンドを、毎月決まった額で買い続けてきただけです。やろうと思えば、誰でも同じことを始められます。

🌱 はじめの一歩は、本当に小さくていい

もう一度お伝えしますが、いちばん大切なのは「続けられる金額で始めること」です。月1,000円でも、月1万円でもいい。背伸びをして大きく始めるより、生活に無理のない金額で、淡々と続けるほうがずっと意味があります。

この記事を読み終わって、もしほんの少しでも「自分も始めてみようかな」と感じていただけたなら、できれば今日中に証券会社のサイトを開いてみてください。気持ちが熱いうちに動くこと──それが、迷いを行動に変える最大のコツです。

投資ビギナーさん
投資ビギナーさん

明日からやろう…って思っていたら、結局1年経ってしまいました。

これは僕自身も含めて、いちばんよく聞く話です。「いつか」「そのうち」と思っているうちに、貴重な「時間」というリソースが、どんどん削れていきます。長期積立にとって、時間は最大の味方です。早く始めれば始めるほど、複利の効果が長く効いてくれます。

📚 次の一歩のために

「もう少し具体的に制度を知ってから踏み出したい」という方は、当ブログのこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

🌷 最後に

未来の自分のために、いまの自分ができる小さな一歩。それを積み重ねていく仕組みが、NISAでありiDeCoです。

この記事が、あなたが踏み出す「いま」のきっかけになったなら、これほど嬉しいことはありません。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

資産運用〜Cozy Asset〜


※ 本記事は筆者の運用実例を共有するものであり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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